ニキビ治療について
性ホルモン分泌の高まる思春期以降に皮脂腺の発達のよい顔面・胸部・背部に好発します。毛包内に脂腺分泌物が貯留し、常在菌であるpropionibacterium acnesが増殖して毛包で炎症を起こします。
にきびの原因
原因は精神的・肉体的ストレス、睡眠不足、不規則な食生活、便秘、生理、チョコレートナッツ類、ポマード・マッサージオイル・ステロイド外用薬の使用、皮膚に密着するヘルメット、頬杖をつく習慣等の機械的刺激や紫外線が関与している場合もあります。内服薬によるものでは副腎皮質ステロイド、抗結核剤、抗うつ剤、リウマチ治療薬などが知られています。
にきびの治療
治療ですが、にきびは健康な青年に頻発するものですべての方が治療の対象になるものではありません。しかし外見上、軽症であっても社会生活に不利益を被るような場合、対人関係に支障をきたすような場合は治療を行います。
軽症の場合は
軽症の場合は外用薬単独で充分ですが、中等症以上では内服薬と外用薬の組み合わせで治療を行います。薬剤の選択は個々のにきびの状態・過去の治療歴や治療に対する反応を見極めながら決めていきます。治療に反応しない場合や内服治療を希望されないときには、ケミカルピーリングやレーザーフェイシャルを併用します。
日常生活から対策できること
日常生活では、充分な睡眠やストレスを避けるなど規則正しい生活、髪の毛が顔面にかからないヘアスタイル運動器具や衣類の圧迫など外的刺激を避ける油脂性クリーム・ファンデーションの使用制限チョコレート・落花生・クリーム・コーヒー・ココア・豚肉・もち・くるみなどを避ける洗髪・洗顔、便秘の改善などが重要です。
水虫・爪水虫治療について
皮膚糸状菌による感染症を白癬といいます。白癬は発生部位により頭部・体部・股部・手・足・爪白癬に分類されます。診断は病変部の皮膚・水疱・爪などを直接顕微鏡で観察、糸状菌の同定によります(受診時にすぐ結果がわかります)。汗疱(異汗性皮膚炎)、掌蹠膿胞症、掌蹠角化症、主婦湿疹など
水虫とよく似た症状を呈する疾患との鑑別が必要です。また、足白癬(みずむし)、股部白癬(いんきんたむし)、体部白癬(ぜにたむし)、癜風(くろなまず)などの通称でよばれることがあります。
爪白癬症
爪が混濁・肥厚・脆弱となり、表面・先端は凹凸不平になります。大部分は足白癬からの波及によるものと考えられます。治療は外用薬の塗布だけでは困難で抗真菌薬の内服を行います。現在は連日1錠6ヶ月間内服を行うものと、1ヶ月のうち1週間だけ内服することを1サイクルとして3サイクル治療するパルス療法の2種類の治療があります。それぞれ特徴がありますので個々の症状・状態により治療薬を決定します。
足白癬症
皮膚の厚くなる角質増殖型では内服治療が必要です。外用薬はクリーム・軟膏・液剤がありますが、亀裂やぐじゅぐじゅした病変ではかぶれることがあるので液剤は避けるべきでしょう。二次感染や外用薬による接触性皮膚炎を併発している場合はそちらの治療を優先させます。外用を2週間行っても症状の改善を認めない場合は他の外用薬に変更すべきです。再発予防のため皮膚症状がなくなったあとも2-3ヶ月間の外用継続が必要です。
陥入爪・巻き爪について
陥入爪は、10~20代の女性に多く80%が母趾に生じます。原因は深爪・先の細い靴による圧迫・立ち仕事や肥満による過度の体重負荷・外傷・爪白癬による爪の変形などによります。爪甲の側縁先端が爪郭に食い込むと疼痛、炎症、二次感染、化膿性肉芽腫の形成を伴います。
陥入爪・巻き爪の治療について
保存的治療
深爪をせず、窮屈な先端の靴を避ける。二次感染には抗生剤の投与、化膿性肉芽腫には液体窒素療法施行を行うことがあります。また、爪が食い込まないように、ガーゼ゙の挿入コットンパッキングやテーピングを行ないます。
超弾性ワイヤーを用いた爪矯正治療
ニッケル・チタン合金に特殊処理をほどこした特殊合金製で、強く曲げても回復力が一定で、曲げた状態でも数ヶ月にわたり強い回復力を発揮、陥入爪・巻き爪の形を少しずつ矯正します。超弾性ワイヤーは陥入爪・巻き爪の爪が伸びた時期に使用します。ワイヤーを入れる時も痛みはなく、治療後に痛みが劇的にとれます。
陥入爪手術(フェノール法)
陥入爪・巻き爪の状態によっては、手術が必要なことがあります。当院では、術後の出血や痛みの少なく、深爪による痛みの強いときや二次感染、化膿性肉芽腫を合併していても施行できるフェノール法を行っております。直ちに症状を改善したい方が適応になります。局所麻酔後、爪を部分抜爪、さらに爪産生組織を化学物質であるフェノールにて腐食させることにより陥入部の爪のみを永久廃絶します。手術当日はできるだけ歩かないようにしていただきますが、翌日より入浴可となります。まれに、再発することがありますので、その場合は再度行います。
皮膚腫瘍について
皮膚や皮下には、色々な腫瘍ができます。皮膚腫瘍には良性から悪性まで多くのものがあ ります。ほとんどの場合は良性腫瘍ですが、大きくなる前に摘出手術を行えば、その分傷跡も小さくなりますので早めに診察していただくことが重要です。当院でも、開院以来、約2000例の手術を行っております。切除した腫瘍は、病理組織学的検査を行い最終的な正しい診断(確定診断)、良性・悪性の判定、完全切除がなされているかを確認します。 手術時間は、15分程です。
代表的な皮膚腫瘍
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、最も頻度の高い良性腫瘍で、若い方から高齢の方までどんな年齢でもでき、体のどこに でもできます。皮下に皮膚成分を含んだ袋があり、中には垢や膿が溜まったものです。この袋に バイ菌が感染すると腫れあがり、膿を出す処置が必要になります。このときは、感染がおさまっ てから摘出を行います。
脂肪腫
皮膚の下に脂肪の細胞が大きくなりかたまりをつくったものです。化膿したり悪臭を放つことはありません。
石灰化上皮腫
子供に発生しやすい良性腫瘍です。眉毛周囲や上腕によく見かけます。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患で、多くはアトピー素因をもっています。
アトピー性皮膚炎の原因
乳児の場合
乳児では、食物・発汗・外的刺激・環境因子・細菌・真菌など
幼児・学童から成人
幼児・学童から成人では、環境因子・発汗・外的刺激・細菌
真菌・接触抗原・ストレスなど。
原因・悪化因子には個人差がありますので検査を充分に行ってから対策を検討します。
日常生活から対策できること
水分保持能・バリア機能の低下、痒みの閾値の低下、易感染性などの皮膚機能異常を認めます。
そのため日々の適切なスキンケアが必要です。
皮膚の清潔を保つため、毎日入浴。
汗やよごれは速やかに落とし、石鹸は洗浄力の強いものは
避け、残らないよう充分にすすぎます。
※ただし、熱いお風呂は痒みの原因になりますので避けます。
皮膚の乾燥を防止する。
皮膚の保湿・保護のため、入浴・シャワー後には必要に応じて保湿・保護を目的とした外用薬を塗布し乾燥防止に心がけます。
室内を清潔にして、適温・適湿を保つ。
爪を短く切り、なるべく掻かないようにする。
アトピー性皮膚炎の薬物療法について
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」に沿った治療を行っています。
「http://www.dermatol.or.jp/news/news.html?id=166」
ステロイド外用薬の強度、剤型は重症度に加え、個々の皮疹の部位と性状および年齢に応じて選択します。
顔面にステロイド゙外用薬を用いるときは可能な限り弱いものを短期間にとどめます。
ステロイド゙外用薬による副作用は使用期間が長くなるにつれて起こりやすい。
しかし長期使用後に突然中止すると皮疹が急に増悪することがあるので、中止あるいは変更は医師の指示に従っていただきます。
急激に皮疹の悪化を認めた場合は、ステロイド゙外用薬を必要かつ充分に短期間使用します。
症状の程度に応じて、適宜ステロイド゙を含まない外用薬を使用します。
必要に応じて抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用します。
1~2週をめどに重症度の評価を行い、治療薬の変更を検討します。
タクロリムス外用薬について
幼児から成人のアトピー性皮膚炎を対象に、非ステロイド゙系免疫抑制薬であるタクロリムス外用薬(プロトピック軟膏)が開発され、特に顔面・頚部の皮疹に有用です。
本剤はステロイド外用薬等の既存療法では不十分または副作用により投与できない場合に使用します。
外用開始から2~3日間は皮膚刺激感を認めます。
蕁麻疹
蕁麻疹はかゆみを伴う膨疹と紅斑が出没する疾患で、4-6週間以内に消失するものを急性蕁麻疹、それ以上にわたり症状の出没を繰り返すものを慢性蕁麻疹といいます。誘因によりアレルギー性蕁麻疹、物理性(機械性、寒冷、温熱、日光)蕁麻疹、コリン性蕁麻疹(発汗刺激による)などの名称が用いられます。
数時間から1日以内に皮疹が完全に消退することが蕁麻疹の特徴で受診時には皮疹を認めないことが多くあります。
2日以上にわたり皮疹が同じ部位に持続する場合
2日以上にわたり皮疹が同じ部位に持続する場合は、蕁麻疹様血管炎や膠原病の部分症状を疑い精密検査が必要です。
治療
原因・悪化因子の同定とその除去ないし回避です。蕁麻疹の発症には複数の因子が関与することが多く、皮疹の出没が毎日続いている場合には、悪化因子の回避に努力しつつ薬物療法を行います。
薬物療法の基本はヒスタミンH1受容体拮抗薬の内服です。
この中には古典的な抗ヒスタミン薬とヒスタミンH1受容体拮抗作用を持つ抗アレルギー薬が含まれます。
抗アレルギー薬の方が抗コリン作用、眠気などの副作用が少なく、作用持続時間が長いこともあり慢性蕁麻疹に対してより有用なことが多いです。
しかし蕁麻疹では薬剤の有効性と副作用の程度には個人差が大きく、1-2週間投与して十分な有効性が得られない場合は他剤への変更ないし追加を行い、症例ごとに最適の投薬メニューをみつける必要があります。
時には胃薬として知られるヒスタミンH2受容体拮抗薬との組み合わせが有効なこともあります。
皮 疹のコントロールができるとその治療内容を急性蕁麻疹では数日から2週程度、慢性蕁麻疹では4週程度つづけ、症状をみながら減量します。
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