アトピー性皮膚炎は増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患で、多くはアトピー素因をもっています。
乳児では、食物・発汗・外的刺激・環境因子・細菌・真菌など
幼児・学童から成人では、環境因子・発汗・外的刺激・細菌
真菌・接触抗原・ストレスなど。
原因・悪化因子には個人差がありますので検査を充分に行ってから対策を検討します。
水分保持能・バリア機能の低下、痒みの閾値の低下、易感染性などの皮膚機能異常を認めます。
そのため日々の適切なスキンケアが必要です。
汗やよごれは速やかに落とし、石鹸は洗浄力の強いものは
避け、残らないよう充分にすすぎます。
※ただし、熱いお風呂は痒みの原因になりますので避けます。
皮膚の保湿・保護のため、入浴・シャワー後には必要に応じて保湿・保護を目的とした外用薬を塗布し乾燥防止に心がけます。
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」に沿った治療を行っています。
「http://www.dermatol.or.jp/news/news.html?id=166」
ステロイド外用薬の強度、剤型は重症度に加え、個々の皮疹の部位と性状および年齢に応じて選択します。
顔面にステロイド゙外用薬を用いるときは可能な限り弱いものを短期間にとどめます。
ステロイド゙外用薬による副作用は使用期間が長くなるにつれて起こりやすい。
しかし長期使用後に突然中止すると皮疹が急に増悪することがあるので、中止あるいは変更は医師の指示に従っていただきます。
急激に皮疹の悪化を認めた場合は、ステロイド゙外用薬を必要かつ充分に短期間使用します。
症状の程度に応じて、適宜ステロイド゙を含まない外用薬を使用します。
必要に応じて抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用します。
1~2週をめどに重症度の評価を行い、治療薬の変更を検討します。
幼児から成人のアトピー性皮膚炎を対象に、非ステロイド゙系免疫抑制薬であるタクロリムス外用薬(プロトピック軟膏)が開発され、特に顔面・頚部の皮疹に有用です。
本剤はステロイド外用薬等の既存療法では不十分または副作用により投与できない場合に使用します。
外用開始から2~3日間は皮膚刺激感を認めます。
蕁麻疹はかゆみを伴う膨疹と紅斑が出没する疾患で、4-6週間以内に消失するものを急性蕁麻疹、それ以上にわたり症状の出没を繰り返すものを慢性蕁麻疹といいます。誘因によりアレルギー性蕁麻疹、物理性(機械性、寒冷、温熱、日光)蕁麻疹、コリン性蕁麻疹(発汗刺激による)などの名称が用いられます。
数時間から1日以内に皮疹が完全に消退することが蕁麻疹の特徴で受診時には皮疹を認めないことが多くあります。
2日以上にわたり皮疹が同じ部位に持続する場合は、蕁麻疹様血管炎や膠原病の部分症状を疑い精密検査が必要です。
原因・悪化因子の同定とその除去ないし回避です。蕁麻疹の発症には複数の因子が関与することが多く、皮疹の出没が毎日続いている場合には、悪化因子の回避に努力しつつ薬物療法を行います。
薬物療法の基本はヒスタミンH1受容体拮抗薬の内服です。
この中には古典的な抗ヒスタミン薬とヒスタミンH1受容体拮抗作用を持つ抗アレルギー薬が含まれます。
抗アレルギー薬の方が抗コリン作用、眠気などの副作用が少なく、作用持続時間が長いこともあり慢性蕁麻疹に対してより有用なことが多いです。
しかし蕁麻疹では薬剤の有効性と副作用の程度には個人差が大きく、1-2週間投与して十分な有効性が得られない場合は他剤への変更ないし追加を行い、症例ごとに最適の投薬メニューをみつける必要があります。
時には胃薬として知られるヒスタミンH2受容体拮抗薬との組み合わせが有効なこともあります。
皮 疹のコントロールができるとその治療内容を急性蕁麻疹では数日から2週程度、慢性蕁麻疹では4週程度つづけ、症状をみながら減量します。
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